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プラスチックの種類

この章ではプラスチックの種類として、熱可塑性プラスチックと熱硬化性プラスチックの特徴と違いについて、また結晶性プラスチックと非晶性プラスチックの違いについて説明します。

熱可塑性プラスチック

加熱すると軟化したり、溶融したりします。この状態のときに金型キャビティ内に射出して成形します。そして温度を下げ、固化させます。 固化したものは加熱して軟化させることができます。 熱可塑性プラスチックには結晶性プラスチック非晶性プラスチックの2種類があり、射出成形に適しています。 成形サイクルは熱硬化性プラスチックよりもかなり短くすることができます。

熱可塑性プラスチック材料の使用される成形品は次表の通りです。

[熱可塑性プラスチックの用途例]

樹脂名

用途

ポリエチレン(PE)

[低密度PE] 食品、飲料、薬品容器 包装用フィルム 電線被覆 日用品、玩具

[高密度PE] 買物袋、ゴミ袋 洗剤容器 上水道パイプ ガス管

ポリプロピレン(PP)

自動車の内外装部品 食品包装用フィルム 洗濯機の洗濯槽 コンテナ 衣装箱、椅子、薄肉のカップ類、食器類

ポリ塩化ビニル(PVC)

[硬質PVC] 農業、上下水道、電線管用パイプ 雨桶、波板、窓枠などの建材用フィルム パイプ継手、バルブ

[軟質PVC] 床材、壁材 食品包装、農業 ホース

ポリスチレン(PS)

食品用透明容器(GPPS) テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど大型機種の部品 断熱材 コンテナ

ポリカーボネート(PC)

パソコン、プリンタ、ファクシミリ、携帯電話などのハウジング CD、DVDなどの光ディスク 自動車のヘッドランプレンズ、メータ板 カーポート、屋根の波板、防音壁などの建材

アクリロニトリロブタジェンスチレン(ABS)

パソコン、プリンタ、ファクシミリのハウジング 冷蔵庫、エアコン、掃除機のハウジング ゲーム機、玩具、スポーツ、レジャー用品

ポリアミド(ナイロン)(PA)

機械の摺動部品(軸受け、ギヤ、カム類など) ファスナー、ボルト

[自動車などの部品に使用されている樹脂材料]

[自動車の内装などの部品に使用されている樹脂材料]

熱硬化性プラスチック

加熱すると軟化します(ただし、溶融しません)。この状態のときに金型キャビティ内に射出して成形します。そして温度を上げ、化学反応により硬化させます。 一度硬化したものは加熱しても軟化しません。 熱硬化性プラスチックは全てが非晶性プラスチックで、射出成形には向かないものが多くあります。 成形サイクルは比較的長くかかります。

Tgφ:反応がはじまる温度 Tg∞:反応は進むが固化しなくなる温度 [熱硬化性プラスチックの反応と固化時間]

熱硬化性プラスチックは一定温度(Tgφ)以上に加熱されると軟化します。 硬化させるには化学反応させる温度(Tg∞)以下にしておかないと、化学反応は起こりますが硬化しません。

熱硬化性プラスチック材料の使用される成形品は次表の通りです。

[熱硬化性プラスチックの用途例]

樹脂名

用途

エポキシ樹脂(EP)

薬品タンク、パイプ、コンテナ IC基板、コネクタ 接着剤、塗料、コーティング材

フェノール樹脂(PF)

電気、電子製品 自動車部品のエンジン付属部品、電装部分、制動、駆動部品、 各種スイッチ部分、灰皿、オイルキャップ、燃料のフロート 鍋、釜の把手、食器

結晶性と非晶性の違い

結晶性プラスチック

非晶性プラスチック

固体のときの分子鎖の配置が規則的で結晶を形成しているもの。 寸法精度を確保するのが困難なものが多い。

不規則な配置で結晶にならずに固体になるもの。 結晶性プラスチックよりも寸法精度を確保しやすい。 ガラス転移点から+100℃の範囲で粘度が変化し、流動可能となる。

[各樹脂の融点と固化温度]

樹脂名

融点[℃]

シリンダ温度[℃]

固化温度[℃]

金型温度[℃]

結晶性

ポリエチレン(PE)

110〜141

200〜300

100〜200

15〜75

ポリプロピレン(PP)

168〜186

200〜300

100〜200

15〜90

ポリアミド(ナイロン)(PA)

215〜265

220〜350

145〜170

20〜90

非晶性

塩化ビニル(PVC)

87〜212

140〜210

87

35〜65

ポリスチレン(PSC)

100〜240

170〜310

100

20〜60

ポリカーボネート(PC)

150〜250

270〜380

150

85〜125

アクリロニトリルブタジェンスチレン(ABS)

80〜255

200〜300

80〜125

40〜85

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