サステナビリティ

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代表取締役社長
金田 宏

人々の本質的な豊かさを支える

天馬グループは2049年に創業100周年を迎えますが、社是である「信・望・愛」を経営理念の土台として、2024年5月に企業の存在意義を表すパーパス「人々の本質的な豊かさを支える」を策定しました。
またパーパスを実践するためには、全ての従業員が共通の価値観を持ち、活動していくことが重要であると考え、「大切にする価値観(注1)」を策定しました。
当社グループは創業当時より一貫して、人々の生活をより良いものにするために、製品・サービスに込めた想いや、お客様に寄り添う心を大切にした「ものづくり」を磨いており、今後も長期的な視点に立って、人々の豊かな暮らしを支え続けていきます。

(注1)「誠実に行動する」「人を大切にする」「挑戦を誇りにする」「『なぜ』『どうして』の好奇心を大切にする」「限りある資源を大切にする」の5項目

プラスチック業界を取り巻く環境は、軽量性・耐久性・低コストなどのプラスチックの持つ有用性から、素材としての需要は大きく、今後も市場拡大が予想される一方、植物由来等の素材の多様化やリサイクル技術の向上などの持続可能性の追求、またCO2排出量削減やプラスチックの海洋流出削減などの環境負荷軽減の取り組みも求められています。

当社グループはこれらの環境認識のもと、2024年5月に公表した第4次中期経営計画におきまして、長期ビジョンとして「人とプラスチックの調和した豊かな社会の実現」を掲げ、基本方針を「サステナブル経営推進による企業価値向上」と定めております。
特定したマテリアリティ(優先して取り組むべき重要な課題)に対する各種施策を通じ、収益性の改善とともに非財務資本の蓄積により、事業活動のサステナビリティを確かなものとし、企業価値の向上に取り組んでいます。

また当社は、マネジメント・バイアウト(MBO)の手法を通じ、2025年7月に株式非公開化を実施しました。
グローバルでの厳しい競争環境の中で企業価値を向上させるためには、スピード力をもって戦略を実行していくこと、そのためには組織・人材面の強化が必要であると判断しました。
これは短期的な業績動向に左右されず、長期的な視点で当社グループの事業基盤の強化を大胆に推進し、当社グループが「百年企業」としての地位を確立することに挑戦していくために、また当社グループの企業価値向上のために最も有効な手段であり、サステナビリティ経営推進と符合するものです。
天馬グループはこれからもステークホルダーと協働し、「人々の本質的な豊かさ支える」企業であり続けます。

サステナビリティ基本方針

サステナビリティ基本方針 イメージ写真 サステナビリティ基本方針 イメージ写真

天馬グループは、「人々の本質的な豊かさを支える」をパーパスとして掲げています。この理念を原点に、環境・社会・経済の持続可能性に配慮したサステナブル経営を推進します。

私たちは、地球環境や社会との調和を大切にし、事業を通じてグループ全体で社会課題の解決に取り組み、持続的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現に貢献していきます。

1
私たちは、事業活動の全過程において、地球温暖化の防止や生物多様性の保全、循環型社会の構築に貢献する取り組みを進めます。
2
私たちは、世界のすべての人々が亨受すべき基本的人権を尊重します。
3
私たちは、従業員の安全・安心・健康を企業成長の基盤と考え、労働環境の向上に努め、多様性を重視し、人財育成に積極的に取り組みます。
4
私たちは、事業を取り巻くあらゆるリスクの発生を未然に防止し、発生時の影響の極小化に備えるためにリスク管理体制整備・推進を図ります。
5
私たちは、良質かつ持続可能な製品・サービスを提供するとともに、情報提供を適切に行い、人々の豊かな暮らしの実現に貢献します。
6
私たちは、調達活動において、お取引先とのパートナーシップを深め、公平・公正な取引により共存共栄を図ります。
7
私たちは、すべてのステークホルダーと責任ある対話を行い、強固な信頼関係を構築し、適時適切な情報開示を行います。
8
私たちは、真のグローバル企業を目指し、公正かつ透明性の高い経営を実現します。
9
私たちは、これまで培った経営資源を駆使して、企業価値の向上を図るとともに、社会課題解決に努めることで社会の持続的な発展に貢献していきます。

2022年6月9日

推進体制

2022年5月に、グループ全体で戦略的にサステナビリティ活動を推進することを目的として「サステナビリティ推進委員会」を設置し、マテリアリティへの取り組みの推進を中心とするサステナビリティに関する活動や、社員の意識啓発、ステークホルダーに関する情報発信などに取り組んでいます。

マテリアリティに関する取り組みを進めるにあたり、必要に応じて各部署、各グループ会社からメンバーが参加するワーキンググループを設置し、全グループを挙げて取り組む体制を構築しています。

推進体制図

天馬グループのマテリアリティ

天馬グループはステークホルダーおよび当社グループ双方の観点から、優先して取り組むべき重要な課題を天馬のマテリアリティとして特定しました。

8つのマテリアリティと21の構成要素は中期経営計画とも密接に関連しており、これに取り組むことで当社グループの目指す姿の実現と、社会課題の解決に貢献します。

マテリアリティ及び構成要素に対する取り組み方針に基づき、引き続きKPIの策定、実践、評価、情報開示に取り組んでいきます。

カテゴリー テーマ マテリアリティ 構成要素 取り組み方針
E
環境
地球環境保全 気候変動の
緩和と適応
GHG排出量削減 GHGの排出量を直接的、間接的に削減する取り組みを進め、2050年カーボンニュートラル達成を目指す。
環境保全活動 持続可能な水資源や生物多様性等へ対応し、環境保全への取り組みを進める。
サーキュラー
エコノミーの実現
3Rの推進 環境配慮型製品の開発に取り組むと共に、これまでの経済活動のなかで廃棄されていた製品や原材料などを「資源」と考え、リサイクル・再利用などで活用し、資源を循環させる取り組みを進める。
環境対応樹脂の利用(Renewable)及び環境配慮製品の開発 枯渇資源である石化由来プラスチックの使用量を低減させるため、環境対応樹脂の活用及び環境配慮製品の開発を推進する。
カテゴリー テーマ マテリアリティ 構成要素 取り組み方針
S
社会
持続可能な
生産と消費
製品の
安全・安心
更なる品質の向上 品質方針に基づき、品質保証体制の強化に取り組む。
プラスチックの
環境に対する理解浸透
プラスチックの「有用性」と「環境に与える影響」を正しく認識し、「プラスチックのサステナビリティ」を発信する取り組みを進める。
プラスチック加工技術の深化による環境負荷低減 プラスチック加工技術を深化させ、安全・安心な製品の提供と石化由来プラスチックの使用量削減等による環境負荷低減を図る。
持続可能な
調達
サプライチェーン
マネジメント
サプライチェーン全体で協業し、環境問題や人権問題に取り組み、持続可能な調達体制の強化を図る。
調達リスクへの対応 地政学リスクや価格変動リスクなどの調達リスクを低減するための取り組みを進める。
人権と多様性
の尊重
多様な人財の
活躍
人権尊重 人権方針に基づき、当社グループに関わるすべての人々の人権を尊重する取り組みを進めると共に、人権デュー・ディリジェンスや救済・是正体制の構築を推進する。
働きがいのある会社 従業員が意欲と誇りを持って働くことができる環境づくりへの取り組みを進める。
地域コミュニティ
との共存
地域社会の課題を認識し、その課題解決に貢献することにより、地域との共存共栄を図る。
公平・公正な人事評価 働きがいのある職場づくりの一環として、公平・公正な人事評価制度の導入を図る。
人財育成 企業の成長には人財育成が不可欠であり、従業員を育成するための研修や育成プログラムを充実させる取り組みを進める。
安全・安心な
職場
働きやすい職場
環境
従業員が心身共に安全で安心できる作業環境と健康維持に配慮した取り組みを進める。
カテゴリー テーマ マテリアリティ 構成要素 取り組み方針
G
ガバナンス
健全な
企業活動
強固な
企業基盤
ガバナンスの強化 会社の持続的な成長と企業価値の向上のため、企業基盤を強固にし、公正で透明性をもった経営を実践する取り組みを進める。
マネジメントシステムの強化 当社グループ内で統一された管理体制を強化する取り組みを進め、経営の最適化を図る。
BCPの継続的
見直し
近年の自然災害の激甚化や多種多様なリスクに対応すべく、それらのリスクを適切に評価し、BCPを作成、更新する取り組みを進める。
カテゴリー テーマ マテリアリティ 構成要素 取り組み方針
V
価値創造
持続可能な
成長
新しい
価値創造
社会課題解決を通じたビジネス領域の創出 社会課題の認識とニーズの掘り起こしにより、新たなビジネス領域を拡張する取り組みを進める。
DXの推進 デジタル技術を活用した業務の高度化及び最適化に加え、新しい顧客体験を提供することにより企業競争力の向上と持続的な成長を目指すサステナブル経営の推進を図る。
生産体制の改革 多様化する消費ニーズに対応すべく、多品種少ロット生産への対応や自動化による生産の効率化に向け、生産体制を改革する取り組みを進める。

マテリアリティの特定プロセス

Step1

課題の抽出・整理

GRIスタンダード、SASBスタンダード、RBA、SDGs、他社動向等を参考に、当社グループおよびステークホルダーに関連する課題を抽出し整理。

Step2

あるべき姿からの課題抽出

未来予測から考える当社グループのあるべき姿について、各部署長、各グループ会社拠点長および20~30代メンバーと検討を重ねて課題を抽出。

あるべき姿からの課題抽出 写真 あるべき姿からの課題抽出 写真
Step3

重要度・優先度評価

Step1およびStep2で抽出した課題について、経営会議メンバーにてマテリアリティ特定検討会を実施し、それぞれの観点から重要度・優先度を評価。

重要度・優先度評価 図 重要度・優先度評価 図
Step4

マテリアリティの特定

Step3にて評価した課題について外部専門家と意見交換し、客観的な視点を取り入れたうえで取締役会にて決定。

Step5

特定したマテリアリティの取り組みと見直し

特定したマテリアリティは、必要に応じて各部署、各グループ会社からメンバーが参加するワーキンググループを設置して、全グループを挙げて取り組みを推進するとともに、社会からの要請や経営環境の変化等に対応するため、定期的に見直しを実施。